Lenovo ThinkPad X1 Carbon Type20KH スリープ後起動不能・CMOSリセット・再発防止
Intelの第8世代CPU搭載のノートパソコンです。
持ち込みの前日にノートパソコンをつけたまま寝たことでスリープになり、その後電源が入らないとご相談いただきました。
電源ボタンを押しても反応がなく、充電ランプも点きません。
分解:バッテリー・SSD
まずは主要パーツを外して改善するかどうかを試みます。
裏面のネジ5個をゆるめ、パネルを外します。
青丸のネジを外してバッテリーを取り外し、赤丸のネジを外してSSDを抜き取ります。
仮組みして起動するか試しましたが、変わりません。
SSDやバッテリーが問題ではないようです。
SSDステータス:正常
パーセンテージの減りはありますが、SSDに異常はありません。
CMOSリセット
電源が入らないときは、まずバッテリーと日時等設定保持用ボタン電池を外して放電し、内部情報のリセットを行います。
バッテリーの右横にあるケーブルを外します。
ケーブルの先にある黄色フィルムで包まれているのがボタン電池です。
ケーブルコネクタを外した状態でしばらく放置し、マザーボードから電圧が抜けるのを待ちます。
ACアダプタ故障
放電後お持ちいただいたACアダプターを繋ぎバッテリーを接続しようとしたところ、お預かり時と同様で反応がありません。
持参アダプターは純正品ではなく互換品で、通電チェッカーで確認すると電圧がきていませんでした。
放電回復
当店の検証用メーカー純正品アダプターで試みると、何度かランプが点滅したあとメーカーロゴが表示されました。
CMOSクリアをしたことにより日時がリセットされたという文言が出現したので、F1キーを押して日時調整を行います。
この状態でメモリーのチェックテストを行い、異常検出がないことを確認しました。
バッテリー残量86%
SSDを組み込み、Windowsの起動確認もします。
バッテリーの充電状態を見ると86%あったため、充電切れが起きたわけではないようです。
スリープからの復帰ができず電源が入らなくなるという事例はWindows10以降多発しているため、スリープを利用しない使い方が必要です。
再発防止設定変更
また同じことが起きないように、再発防止としてスリープにならないようWindowsの設定変更を行います。
コントロールパネルを開き、「システムとセキュリティ」もしくは「ハードウェアとサウンド」をクリックします。
「電源オプション」をクリックします。
「プラン設定の変更」をクリックします。
画面が消えること自体は問題ないので、「コンピュータをスリープ状態にする」の項目を両方とも「適用しない」に変更して保存します。
「電源ボタンの動作を確認する」をクリックします。
「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックします。
「電源ボタンを押したときの動作」と「カバーを閉じたときの動作」を両方とも「シャットダウン」に変え、「高速スタートアップを有効にする」と「スリープ(電源メニューに表示)」のチェックマークを外します。
※高速スタートアップ:シャットダウン直前の状態をHDD・SSDに記録して深いスリープになる設定。起動やシャットダウンは速くなるが不具合を持ち越しやすくなります。
高速スタートアップを外すことで起動やシャットダウンの時間は長くなりますが、SSDの場合ほぼ実感することはありません。
内外清掃・組み戻し
清掃後組み戻し、機能の確認を行います。
なるべく早くデータバックアップしていただくようお願いし、返却です。
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