アプライドPC 2年前の状態で起動する不思議

SSD故障 HDDの旧環境で起動して最新データがない

デスクトップパソコンが起動しなくなり、購入店に持って行ったところSSD故障と言われSSDは取り外しされた。
その後、起動はするが遅くなった上2年ほど前の状態になってしまったそうです。

ご依頼はSSDにある最新データの取り出しでしたがとても不思議な内容でしたので、パソコン自体もお預かりして調べることになりました。
データを最優先として診断いたします。

SSDは故障状態

SSDはパソコンから取り出された状態で持ち込まれました。

SSDを作業用パソコンにつないでみると、認識はするものの容量バーが出ず内部にアクセスできません。

IntelのRSTでは「危険(SMARTイベント)」と表示されました。

やはりSSDは故障状態でした。

パソコンはWindows10で起動が可能

パソコンを確認してみると起動は可能でした。
Windows10のアップデート状態を確認すると2年ほど前の状態で止まっていましたので、オーナー様のお話と一致します。
分解して確認をします。

マザーボードはIntel 第8・第9世代向けでWindows11にも対応できる世代です。
パソコンにはHDDが1台搭載されていて、そこから起動しているようです。
HDDには2年前の状態のWindowsがそのまま残っているということになります。

HDD内部を確認すると確かにWindowsの構成がありますが、そのほかに「Dデータ」というフォルダーが作成されています。

SSDクローンは可能

SSDは故障状態ですが、念のためデュプリケーターでコピーを取ってみると時間はかかりましたがクローンが完了しました。
SSDはまともに使えない場合でも、転送速度が遅いだけでクローンコピーができる場合があります。
HDDと挙動が違います。

コピー済みSSDを作業用パソコンにつないでみると、パーティーションも正常に認識されてデータも確認できました。
データ優先なのでユーザーデータを取り出してみました。

デスクトップを確認すると、HDD内の「Dデータ」フォルダーへのショートカットがありました。
SSDで起動していたときには、HDDをデータドライブとして使用していたことになります。

クローンSSDでの起動ができる

確認のためクローン済みSSDをパソコンにつないでみたところ、何事もなかったかのようにWindows11が起動しました。

2年の間にWindows10からWindows11に更新されていたようです。
もう一度確認すると、「Dデータ」へのショートカットがありました。
HDDのWindows10パーティーションのルートに「Dデータ」フォルダーを作り、データ用フォルダーにしてあったようです。

2年前にSSD化をおこなった模様

2年ほど前に一度購入店にパソコンを預けたそうです。
オーナー様はその時に何がおこなわれたか記憶していませんでしたが、どうやらSSDにOS環境を移しているようです。
元のHDDはデータドライブ化したように見えますが、元のWindows環境はそのままでフォルダーを作成して、デスクトップにショートカットを作成したようです。

通常の修理ではOS環境をSSDに移したら、HDDは完全消去してデータドライブにするのが一般的です。
無駄にデータ容量を食いますし、別ドライブに同じ内容のOSがあるのはトラブルの元です。
驚くようなことがされています。

さらに、修理に持ってきたパソコンを過去のWindows10環境のまま返却とかあり得ません。

Windows11環境でご返却

Windows11環境そのままで起動できてデータもそのままということで、今回はHDD環境もそのままでご返却いたします。

少々不安は残りますが、環境そのままの状態を優先となりました。

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