iMac 2014 Late 27inch HDD故障で起動できない
電源を入れるとプログレスバーの途中でとまってしまい起動できないiMacのお預かりです。
至急必要なデータがあると言うことで急ぎで作業します。
調べてみたらフュージョンドライブ構成の機種でした。フュージョンドライブ構成の場合で故障だと、データ復旧は困難となります。
フュージョンドライブとはSSDとHDDをグループ化して1ドライブにして高速化を図る仕組みです。
ただ、この仕組みのためどちらかのドライブが故障するとデータの取り出しはあまり望めません。
分解・HDD取り外し
iMacの2012年モデル以降は薄型になっていて画面が両面テープで貼り付けられています。ツールを使いテープを切りはがして液晶パネルを開封します。
HDDを外すにはすぐ隣のスピーカーのネジを取る必要がありますが、HDDを外すだけならスピーカーはずらす程度で問題ありません。
スピーカーの下にHDDを止めているネジがありますので取り外します。
HDD重度故障・データ復旧
HDDを取り出して検査をしてみるとかなりのエラーが出ています。
ハードウエアコピー機でコピーをしてみてもかなり遅い上、30%ちょっとで止まってしまいそれ以上先に進みません。
リバースコピーに変えてみてもダメでした。
コピーできた部分だけでもデータが必要とのご希望なので、データのスキャンを行って復旧をかけていきます。
フュージョンドライブのためデータは種類単位での取り出ししかできませんでした。しかも30%部分だけですがある程度のデータが取り出せましたので、ひとまずお渡ししました。
SSDクローンコピー・高度データ復旧コース
HDDがかなり状態が悪いので、これ以上の復旧をするには専門部署での復旧をおこなうことになります。
オーナー様のご希望で高度復旧をおこなうこととなりました。
そのために、フュージョンドライブで使用しているSSDのクローンコピーを取って起きます。
パソコン自体も急いで使えるようにする必要があるため、外部起動でのソフトウエアコピーを使用します。
USB接続のDVDドライブから、バックアップソフトの緊急起動ディスクを起動させて2.5inchのSSDにコピーを取ります。
「sector by sector」を指定してクローンをおこないます。
1T SSDにOSインストール
フュージョンドライブはSSDの価格が高かった頃に採用されました。
HDDの大容量とSSDのレスポンスを両立させる物ですが、何かあったときには非常にやっかいです。データの復旧も困難です。
SSDの価格もずいぶん安くなっているので、SSD単体での運用がおすすめです。
今回の修理は、1TのSSDを載せてOSをインストールしていきます。
元HDDは3.5inchなのでマウンターを装着済みです。
また、iMacには温度センサーケーブルがあるので追加のケーブルが必要です。
OSバージョンは10.10を使用されています。使用環境を考慮して10.10をインストールします。
復旧データは1.1T
データの復旧では、残念ながらフュージョンドライブでの認識は出来ませんでした。
でも、HDDのコピーはほぼ100%取れたため、1.1Tのデータが取り出されました。
こちらもファイルの種類単位での復旧となりました。
データは同じものを2ヶ所に保存しておくしか保全の方法はありません。
特にフュージョンドライブやSSDなどは、故障時のデータ復旧が困難ですのでバックアップは必須です。
ご注意ください。