メモリーについて
メモリーの役割
パソコンにとってメモリーとは、データを広げて作業するための空間である。
例えていうと、
机の引き出しがHDD・SSD、中に入っている書類がデータである。
机の上の空間がメモリーに当たる。
机の上のスペースが広ければたくさんの書類を広げることができ、計算式を書き出す用紙も広げることができる。
計算を司る人間がCPUということになる。
一般的な用途の場合、4G~8G程度のメモリー量があると良い。
Windows10・11では8G異常が望ましい。
ただし、32bit版のOSの場合は4G弱のメモリーしか利用できない。
メモリーの形状
デスクトップ用の通常サイズ(DIMM)と、ノート用サイズのSO-DIMMがある。
一体型のデスクトップにはノート用のSO-DIMMが使用されていることが多い。
タブレット型や薄型ノートPC、Mac Book Airなどではメイン基板上に直接実装されていて交換できない物もある。
メモリー故障でもメイン基板の交換になるので注意が必要。
メモリーの規格
パソコンのメモリーは揮発性メモリーのDRAM(Dynamic Random Access Memory)である。
電源を切ると内容は失われる。
SDRAM
シンクロナスDRAM=信号同期されたDRAM。
1クロックで1つのデータを転送する。
周波数は66MHz、100MHz、133MHzの規格があった。
DDR-SDRAM
SDRAMのデータ転送速度を向上させるために、1クロックで2つのデータを転送できる規格が作成された。
クロックの立ち上がりと下がりで2つのデータを転送する。
それにより、周波数に対して2倍のデータを転送する。
DDR=ダブル・データ・レート
規格としてDDR表示とPC表示がある。
DDR200(動作周波数)=PC1600(データ転送速度)
DDR266=PC2100
DDR333=PC2700
DDR400=PC3200
DDR2-SDRAM
外部クロックが内部クロックの2倍になるため、DDR-SDRAMの2倍の転送速度を持つ。
DDR2-400=PC2-3200
DDR2-533=PC2-4200
DDR2-667=PC2-5300
DDR2-800=PC2-6400
DDR3-SDRAM
DDR2-SDRAMに対して2倍のデータ転送速度がある。
DDR3-800=pc3-6400
DDR3-1066=PC3-8500
DDR3-1333=PC3-10600
DDR3-1600=PC3-12800
DDR3には低消費電力規格のDDR3Lがある。
DDR3LのメモリーはDDR3としての使用ができるが、DDR3はDDR3Lの代わりには使用できない。
ノートパソコンなどで、DDR3L指定の場合にDDR3を使うと不安定になったり起動できなくなったりするので注意が必要。
DDR4-SDRAM
DDR3-SDRAMに対して2倍のデータ転送速度を持つ。
DDR4-1600=PC4-12800
DDR4-1866=PC4-14900
DDR4-2133=PC4-17000
DDR4-2400=PC4-19200
規格は非互換
SDRAM・DDR-SDRAM・DDR2-SDRAM・DDR3-SDRAM・DDR4-SDRAMは規格として共通性がない。
DIMM・SO-DIMMのそれぞれにおいて各規格のメモリー形状は似ているが、切り欠きの位置が違うため挿入そのものができない。
データ通信の規格が変更されているのでもともと互換性はない。
対応しているメモリー規格は、パソコンのチップセットもしくはCPU内のメモリーコントローラーにより決まる。
対応規格以外のメモリーを購入しないようにしたい。
また、メモリーの最大容量もパソコンやチップセットにより決まっている。
デュアルチャンネル
現在のパソコンは同じ容量のメモリーを2枚使用すると、同時に2枚のメモリーにアクセスする仕様となっている。
その分高速に動作する。
パソコンにより、トリプルアクセスで3枚同時にアクセスする物もある。