HP ProBook 450 G3 CMOSリセットで回復・ボタン電池交換
ACアダプターを挿すと充電ランプは点灯するものの、電源ボタンを押しても電源が入りません。
バッテリーを外しても同様で、電源ボタンランプが一瞬点きますがそれ以上の反応はありませんでした。
第6世代Core i5搭載の15.6インチノートパソコンです。
Windows11は対応していませんが、機械制御で使われているそうで修理をご希望されお持ち込みいただきました。
充電ランプが点灯するため、通電はしているようです。
分解して原因を探っていきます。
分解:HDD
裏面右下の蓋を外します。
HDDがありました。
4個のネジを外し、右方向へスライドして引き抜きます。
HDDステータス:正常
特定の作業にしか使われていないようで、使用時間はとても短いです。
HDDの重度故障で電源が入らないこともありますが、問題ありませんでした。
分解:CMOSバッテリー取り外し
今回のように電源が入らない場合、日時などの設定を保持しておくためのボタン電池があればそれを外して内部電圧のリセットをすることで改善しないかどうかを試します。
左上の裏蓋と光学ドライブ、ゴム足を外します。
蓋の中にボタン電池は存在しません。
裏面全てのネジを外します。
この機種はネジが多い上にプラスネジとトルクスネジを併用しているため、対応ドライバーが必要です。
パソコンを開き、キーボードを外します。
キーボード下のネジとフラットケーブルを外します。
マザーボードが見えましたが、ボタン電池はありません。
ついでにアダプターを繋いで電源ジャックの電圧を測りましたが、正常でした。
2個のネジと基板に繋がっているケーブルを全て外します。
筐体から基板を取り外して裏返すと、ようやくCMOSバッテリーがありました。
ソケットから外してテスターで計測すると、少しではありますが消耗しているようです。
一時的にショートさせ、再度取り付けて仮組みします。
CMOSリセット回復
仮組み状態で電源を入れると、日時リセットがかかった状態で電源が入りました。
HPではおなじみのPOST Error画面です。
この状態でメモリーのエラーチェックを進めると、そちらは異常なく完走しました。
今回は軽度の電圧リセットで電源が入るようになりましたが、ものによっては電池を外したままひと晩以上経過しないと回復しないものもあります。
参考記事:【電源が入らない】富士通 FMVA50F3W CMOSリセットで回復
再発防止処置
まずは先程の軽度消耗CMOSバッテリーを新品に交換し、内部を清掃しながら組み戻します。
再度リセットがかかるので現在の日時に合わせたあと、高速起動(Fast boot)を解除します。
Fast bootは重要な部分以外のチェックを飛ばして起動するので、不具合を見逃す可能性があります。
Windows10以降スリープからの復帰ができない形で、ランプは点くが電源が入らないということが多発しています。
まずはスリープを「適用しない」に変更します。
カバーを閉じたときの動作は「何もしない」になっていたので、電源ボタンを押したときの動作を「シャットダウン」に変え、高速スタートアップを解除します。
高速スタートアップはシャットダウン直前の状態をHDDに書き込んで、シャットダウン時に深いスリープにつくようなモードです。
不具合が起きたときに持ち越してしまうため、解除して毎回ゼロから起動するコールドブートを有効にします。
外部清掃・機能確認
この機種はWi-Fi機能がないため、LANケーブルでインターネットに接続し正確な日時に合わせます。
その後、キーボードやカメラの確認を行って外部清掃をしたら返却です。
今回はマザーボード裏にボタン電池がありましたが、HPやdynabookはバッテリーのみで設定を保持しているものも多いです。
メンテナンス性のことを考えるとCMOSバッテリーは必要ですし、アクセスしづらい場所にあるのも考え物ですね。
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